Vol.4 EAST-02~Episode 15~

僕は風呂上りにその人にアイスクリームをおごってもらい、その人と別れ、
僕はみやげ物屋でちょっとした買い物を済ませた後、キャンプ場に戻り、テントの中でくつろいでいた。

キャンプ場の外の方では「アイヌ語をおぼえよう!」という誘いの車がデカイ音を発しながら走っていた。

今日はマリモの生息するという阿寒湖のほとりでテントを張っている僕だが、その阿寒湖をゆっくりと見ることもなく、眠りについたのだった。

次の朝目覚めた時はすでに昨日のオッチャンチャリダーのテントはなかった。
だいたい毎朝8時前後に起きていた僕であったが、他のチャリダーはもっと早起きのようだ。

今日は摩周湖を見て屈斜路湖近くのキャンプ場に泊まる予定。

その時僕はある事を思い出した。

「摩周湖のユースホステルは夜にはみんなで摩周湖を見るというイベントがあったはずだ。」

ということで僕はまたまたユースに泊まり、そのイベントに参加しようと、宿泊の予約を取るために電話してみた。
だが摩周湖のユースはあいにく予約でいっぱいだった。

「そうか・・。今日は14日で盆休みやってんな・・そりゃ予約もいっぱいになるわな・・・。」

毎日同じように走り続けていた僕は今日が何日というのはあまり意識していなかった。

仕方なく、僕は予定通りの屈斜路湖にあるキャンプ場を目指した。

阿寒湖から摩周湖に向かう国道241にハンケトウとヘンケトウという二つの小さな湖を見ることのできる
双湖台という展望台があったのでそこで休憩した。

双湖台を後にした僕はまた走りだした。
そして摩周湖のある手弟子屈町という街にたどり着く坂道を下ろうとした時、ふと道ばたにあるものを発見した。

それはこの前ライダーのNにもらった旗と同じ種類の緑色の旗だった。

その色の旗は僕が持ってなかった旗だった。その旗を手にする事によって三種類のすべての色の旗が揃う。

僕は拾うということに少しためらったが
「これは神の恵みだ」と理解してその旗をいただいた。


<広告>


再び走り出した僕は摩周湖に行く前に、ひとまず屈斜路湖のキャンプ場へ行き、宿を確保した。
でもさすがに今日は盆なだけあって僕の小さなテントがかろうじて張ることにできるスペースしか空いてなかった。

その後、摩周湖にむかった僕はその途中の道の広い田園の綺麗な景色に見とれて思わずシャッターを押してしまった。

キャンプ場に荷物は置いてきたものの、摩周湖へつながる山道は結構キツかった。
しかも山頂に近づくにつれて濃い霧に辺りは覆われて、車に僕の存在が気付いてもらえるか心配になるほどだった。
おまけに日はだんだんと落ちてきていた。

やっと摩周湖が見える展望台に着いたが、濃い霧のせいで何も見えなかった。

まさしく「霧の摩周湖」だった。(布施明の歌だよ、若い子は知らんだろうな~。といいつつ僕の世代の歌でもなければ僕の親がファンだった訳でもないがなぜか知っている僕。)

「くっそ~!こんな所まで登って来たのに。神様はなんて意地悪なんだ!」
半ギレになった。でもこの湖を一回目から快晴の天気で見ることのできた人は結婚ができない、もしくは遅くなるというジンクスがあったことを思い出した。

「まあ、少なくとも俺は早く結婚できるということやな」

そう思って諦めがついた。
しかし、その5年後である今2001年、この日記を書いてる僕は彼女もいない25歳であった。

まあそれはおいといて話に戻りましょう。

Vol.4 EAST-02 Episode 15