第19話
「オッサン犬」
8月19日、曇り空の朝僕は昨日のオッチャンに挨拶をすると今日の目的地である標津町の海陽台展望台を目指すべく走り出した。
根室市に戻り、さらに少し西へ霧多布の方へ戻るとそこから北に向かうR243に合流した。
予定では海沿いの道を走りその沿線にあるキャンプ場に行くのだが、実はそのキャンプ場よりももっと海陽台展望台の近くにキャンプ場があることに気がついたので僕は予定を変更してそっちをめざすことにした。
つまり予定表で記されているルートが、なぜかわざわざ遠回りになってしまう道を選んでいのだ。
僕は自分で何でこんなルートを設定してるのだ?と思ったが、まあなにしろ約40日分の計画表だから一日くらいそんなミス設定があったみたいだ。
国道243から道道15に入ってさらに北上した。
今日も一日中天気はすぐれなかったが意外と早く展望台のすぐ下までたどりついた。
するとラッキーなことに地図に載っていたキャンプ場よりもさらに近くであるそこの場所にキャンプ場があったので、僕はまたまた予定を変更してそこにチェックインした。
1000円と少し高かったが洗濯とシャワーの設備があったので僕は満足だった。
テント内に荷物を置くと僕は軽くなった自転車でその展望台に登りにいった。
しかし今日も天気は良くはなく、霧も出てたので行っても何も見えないことは分かっていた。
だがそれでも行ってしまうのはチャリダーのプライドというか、もう意地だった。
特に地図にはそこは360のパノラマでライダーに大人気と書いてあったし。
行ってもしほんのちょっとでもイイ景色が拝めたら儲けモンと思ってたどり着いたが、
何も見えなかった。
(ていうかな~どんな景色だったかあまり憶えていない。登った時の道はなんとなく憶えているが)
本当ならこの後、近くにある(といっても10km以上はある)養老牛温泉に行きたいところだったが、今日はキャンプ場でシャワーができるし、その時間から行くのは面倒だったので行かずにキャンプ場に帰った。
そのキャンプ場ではなぜか1回分単位で洗剤が売られていたので洗剤がそれを5つくらい買った。
なんせコンビニなどではデカい洗剤以外はあまり売ってないもんで僕にはそれが重宝したのだ。
今日はどちらかというとのんびりとした日を過ごしたが、明日はそうはいかない。
なぜなら明日はこの旅後半最大級の峠を登らないといけないからだ。
その先にはもうそれほど高い山はないので明日のその知床峠がこの旅最後の大きな山越えになる。
僕はその最後の山越えに向けて体を休めることにした。