第3話 最高の挨拶-1

第3話
「最高の挨拶」

 7/30今日はニセコから洞爺湖を越えて、室蘭の街まで行く予定。しかし、昨日と同様今日も山道ばかりなので平地を走行するよりも相当時間がかかった。

しかも、ニセコの山を登った道をそのまま下ればもっと効率がよかったのに、せっかく北海道に来て同じ道を通るのは嫌だった僕は、意地を張ってわざわざ遠回りした。

巨大な山であるニセコアンヌプリとその横にそびえるさらに巨大な羊蹄山の谷間を走行したのが間違いだった。そのことで予定よりも大幅に時間のロスをくらってしまったのだ。
そしてようやく隣の町、真狩村を超えて留寿都村に入り、洞爺湖につながる国道230号に合流した時はすでに午後4時をまわっていた。
(ちなみに真狩村は細川たかしさん出身の町だよ^^;)

この時点で今日の予定の半分も通過してないようでは、今日中に目的地である室蘭へ行くのは無理だと判断した僕は計画したコースをすべて一日遅らせることにした。

「まあ、一日ロスしても三日までは予備日をとってるから大丈夫や。」
と思いながらも不安であった僕。^^;)

ところでその予定表とは次の通りである。無理がないように一日でだいたい100km以内としてそれでも無理の時用に予備日を三日に設定した。(かなり長いので、飛ばし見してください。^^;)

7/26  大阪17:45発
7/27  函館(11:35着)→大沼
(森林公園キャンプ場)約28km
7/28  大沼→長万部
(長万部公園キャンプ場)約72km
7/29  長万部→ニセコ
(ニセコ野営場)約80km
7/30  ニセコ→室蘭
(ユース、野宿?)約105km
7/31  室蘭→苫小牧
(ときわキャンプ場)約78km
8/1   苫小牧→支笏湖
(ポロピナイキャンプ場)約57km
8/2   支笏湖→オコタンペ湖→夕張
(幸福の黄色いハンカチ広場キャンプ場)約110km
8/3   夕張→新冠
(半官館森林公園キャンプ場)約113km
8/4   新冠→百人浜
(百人浜キャンプ場)約110km
8/5   百人浜→帯広
(岩内仙峡キャンプ場)約100km
8/6   帯広→かなやま湖
(かなやま湖畔キャンプ場)約120km
8/7   かなやま湖→富良野<五郎の家>
(鳥沼キャンプ場)約64km
8/8   富良野→旭川
(当麻ダムキャンプ場)約78km
8/9   旭川→層雲峡
(層雲峡キャンプ場)約41km
8/10  層雲峡→然別湖
(然別湖国設キャンプ場)約80km
8/11  然別湖ネイチャーセンター
(然別湖国設キャンプ場)0km
8/12  然別→足寄
(里見ヶ丘キャンプ場)約70km
8/13  足寄→阿寒湖
(阿寒湖畔キャンプ場)約50km
8/14  阿寒湖→摩周湖→屈斜路湖
(和琴半島キャンプ場)約85km
8/15  屈斜路湖→釧路
(塘路元村キャンプ場)約65km
8/16  釧路→釧路
(来止臥キャンプ場)約43km
8/17  釧路→浜中
(霧多布岬キャンプ場)約85km
8/18  浜中→納沙布
(根室市牧之内キャンプ場)約114km
8/19  根室→標津町
(尾岱沼青少年旅行キャンプ場)約80km
8/20  標津町→知床
(国設知床野営場)約90km
8/21  知床→網走
(網走レイクビューキャンプ場)約85km
8/22  網走→サロマ湖
(三里浜キャンプ場)約90km
8/23  サロマ湖→興部
(旧興部駅ルゴーサーエクスプレス)約70km
8/24  興部→浜頓別
(クッチャロ湖畔キャンプ場)約103km
8/25  浜頓別→稚内
(稚内森林公園キャンプ場)約90km
8/26  稚内→利尻、礼文島→兜沼
(兜沼キャンプ場)約30km
8/27  兜沼→美深町
(美深駅、野宿?)約127km
8/28  美深→旭川
(当麻町スポーツガーデンキャンプ場)約90km
8/29  旭川→滝川
(滝川自然の家キャンプ場)約95km
8/30  滝川→札幌
(西岡自然の村キャンプ場)約110km
8/31  予備日
9/1   予備日
9/2   予備日
9/3   札幌→小樽
(かつない臨海公園)約40km
→小樽発23:30
9/4   敦賀20:30着→帰宅

なお、この計画表は例の本、「サイクル野郎2500キロ」にかなりの影響を受けて作ったルートなので、その本の主人公であるチャリダーが訪れた場所は僕も絶対行こうと思っていたため、その人の訪れた場所のほとんどがスケジュールに組み込まれている。

だから北海道一周だけど、本当はそれよりよりももっと長い距離になっている。(贅沢な旅だ・・^^;)

では話に戻りましょう。
今日の予定を二日に分けたのはいいが、そうなると変更された今日の到達地付近に都合よくキャンプ場はあるのかなという心配があった。
でもとにかく先ずはこの山道から脱出することを考える方が先決だった。

留寿都村に入り国道230の山道を走っていると、ようやく洞爺湖がみえてきた。

「それにしても変わった湖やな~」と思い自転車を停めた。
湖の真ん中に奇妙な形をした山が立ってる。僕のいるこの山からその湖が見えた。

「とりあえず今日はあの湖までは走ろう」と僕はまた自転車に乗った。

そして、やっと洞爺湖に着いた頃にはもう夕飯時を回っていた。
コンビニで弁当を買ってきてその湖の前で食べながら、今日のキャンプ場を探そうと、僕はしばらく地図を眺めていた。

地図を見ると洞爺湖の周りには5つのキャンプ場があり、なるべく無駄なく次の目的地に行けるように、この場所から一番近い、珍小島キャンプ場を目指し、そして僕はまた走りだした。

Vol.1 FIELD-07 Episode 3