大沼に着くと、さっきの青年の言う通り、地図にあるキャンプ場は現地にはなかった。
そしてその人に教えてもらったキャンプ場に到着した。
少し淋しい所だったけど。湖の前で景観もいいし、僕にはちょうどよかった。
まだ日のあるうちにキャンプ場に着いた僕は、することがないのでとりあえず大沼湖を一周することにした。少し不安だったが荷物はキャンプ場に置いたままでかけた。
走ってるうちだったかいつだったか忘れたが、いつのまにか日は落ちて、辺りは暗くなっていた。
すると、大沼湖のむこう岸のところで花火が上がっているのが見えた。
「おお~、北海道に来た俺を歓迎してくれてるぜ~(ちがうけど^^;)もっと近くで見よう。」
その花火が打ち上げられてるところまで行くと、僕はふと、ある急用を思い出して、ある男に電話を入れるため電話ボックスに入った。
「もしもし、シンゴ?あのな~Gの血液型、結局分からんかったわ~」
というのは僕とシンゴは同じ大学にいる友達の血液型を当てるゲームをしていて、最後の2人、GとTの血液型が分からないまま、僕とシンゴの勝敗は保留になっていたからだ。(その頃からそんなつまんね~遊びをしていた僕ら2人でした)
「そうなんか、Tもわからんかった。まあしゃあないな、この勝負は新学期に持ち越しやな。ところで今どこなん?」
「北海道。」
「それを言うために わざわざ北海道からかけてきたんか。ところでうしろ花火鳴ってるのか?めっちゃうるさいぞ!」
「ああ、花火や、そうやな、うるさいな、じゃあそういうことでまた・・」
と言って電話を切った。アホな会話は終わった。
ひと仕事終えた僕は再び花火を楽しみ、それが終わったらキャンプ場へ帰るため、マイチャリを走らせた。
走行の途中、ありがたいことに日帰り入浴できる旅館があったので、そこでひと風呂浴びてからキャンプ場に戻った。
ほどよく疲れた僕はテントの中でランタンに火を灯した。
「このランタンを使う時がようやく来たか・・・。」
「そう言えば去年はこのランタンを自分の部屋で灯してたよな・・・。」
という空しいことを思い出した。
Vol.1 FIELD-02 Episode 1