Vol.3 TOURIST-12~Episode 14~

今日は足寄の里見ヶ丘キャンプ場に泊まる予定だったが、その車のオジサンの紹介で、そこで料理を食べたらタダで泊まれるという食堂に今日は泊まることにした。(料理もそれほど高くはなかったことだし^^;)

僕らはそのオジサンに礼を言って、その人は去った。

足寄に到着したのは3時くらいだった。予定より随分早く着いてしまったので僕は近くにある銭湯へ、さっきのチャリダーと行くことにした。

そのチャリダーは三重出身の2つくらい年上のお兄さんだった。
なんでも、最初はチャリダーだったけど、それからしばらくアメリカンのバイクに乗ってたらしい。

でもそのバイクで九州へ行った時、阿蘇山に登るチャリダーを見て「俺も負けてられんな~」と思ってまたチャリダー精神が復活して北海道に来たとか。

まあ、なんというか明るくて面白い人だった。

風呂に入ったあと、まだ時間があったので松山千春の家を見に行ってみることにした。

そこにいくと昔の(髪の毛がふさふさだったころの)松山千春の絵の看板がドーンと家の車庫の上に立てられていた。

でもその家は特に大きくもなく、ごく普通の家だったことに驚いた。


<広告>


その後、食堂に戻って食事を済ませたら同じ部屋に泊まるライダーやチャリダーのみなさんと話をしに行こうと、僕らは部屋に行った。

食堂の二階に泊まらせてもらうわけだが、この食堂の真正面に足寄駅があり、一時間ごとにオシャレなチャイムが鳴って、それがこの部屋にも聞こえてきていいムードを作っていた。

同じ部屋に泊まる人は全員で10人くらいでチャリダーは僕達だけだったが、ライダーや歩いて旅をつづける人などさまざまだった。

なかでも関西弁をしゃべる人が多くいて懐かしくもあった。
ライダーのうち一人は一瞬、「松山千春か?」と疑うくらいそっくりの人もいた。(頭が。)

大阪から来たライダーの人はウクレレを持って旅を続けていて、それを披露していた。

僕もギターを持って旅をしたいという憧れはあるが、バイクでもかなり邪魔になるので自転車では到底無理なのはわかっていた。
だから僕は「せめてハーモニカだけでも」と思ってそれだけは持ってきていた。

ウクレレを弾く人につづいて僕も何か披露しようかと思ってそのハーモニカを出した。

すると
「あ!それ、俺も持ってる!!」
と言って僕のそれと全く同じハーモニカ(トンボの10ホールズハーモニカC調)をさっきのチャリダーとそのウクレレの人が同時に出した。

「え!?マジかよ!!」と、かなり僕は驚いた。

「こんなもん持って旅行するのは俺くらいやろう」
と思ってたのに、偶然にも僕と同じことを考えた人がここにもう二人もいたのだ。

まさかこんな所で三つの全く同じハーモニカが揃うとは思ってなかった。

 

Vol.3 TOURIST-12 Episode 14