その人はさっきからずっと上半身裸でウロチョロしていたからだ。
僕はテントの中でくつろぎながら
「頼むからこっちに来んといてくれ~」
と願っていた。
すると心優しき神様はその願いを無視してくれた。
その男はこっちに歩いてくるではないか!(当然裸のまま)
僕はまさか僕のテントの近くまでは来ないだろうと思っていたが、その思いをよそに彼はどんどん近づいてくる!
僕はためらってその場をはなれようと思った瞬間!!
ついに彼は話しかけてきた!
「こんにちは!」
「え?、、こんにちは。(うわ~来た~)」
・・・でも話をすると別にごく普通の人だったのだが・・・。
僕はどんなに暑くても、海や川やプールなど以外の裸になるべき場所でなければ絶対にそんなことできないからちょっとビックリした。
まあ彼はおおらかな性格だったと言っておくことにしよう。
その後僕は風呂を探しに出かけた。
するとコンビニに「近くでシャワーできます」というマジックで書かれた原始的な張り紙を発見したのでそのコンビニに入った。
そのコンビニで買い物をしてそのシャワーの件について尋ねると、どうやらその町営の施設にそんな場所があるらしく、僕はその情報をもとにその場所へ向かった。
どうでもいいが、そのコンビニもその情報提供によってツーリストたちの客が出入りすることを企んでるようだった。
<広告>
無事今日も一日の汗を流すことができてほっと一息ついてると、その施設の建物の休憩所に少年ジャンプが置いてあることに気がついた。
僕はひさびさにそれを手にとってみた。
そのころ僕はジャンプの中で「ダイの大冒険」しか興味がなく、今ではその時読んだ中でその内容しか覚えていない。
どんな内容だったかを説明すると・・。
話は少しマニアックになるが、大魔王バーンの仕掛けた爆弾により、世界はあと数分で消滅してしまう事実を知って戦意喪失してしまったダイは、それでも諦めないポップのバーンに対する抵抗を見て再びダイも立ちあがるというシーンだった。
憶えてるセリフは
ポップ「あんたら魔族は何年生きられるんだい?
あんたらの一生に比べたらオレ達人間の生涯なんて一瞬なんだろうな。
でもオレはそれがたとえ一瞬で何の望みがなかったとしても閃光のように生きる。
それがオレ達人間の生き方だ!よく刻んでおけバッキャロー!」
というようなセリフの後
ダイ「オレがくじけてしまいそうな時、いつも最後のひと押しをしてくれた親友ポップ・・・
君に会えてよかった。」
と、ダイが立ちあがるシーンだった。
感動して何度も読んでしまった。
また少し話はそれてしまったが、その後キャンプ場に戻りその夜は一晩中風の音に悩まされた。
「まったく・・・ここはいつまで風が吹いているんだい?
霧多布岬という名前やめて風多布岬にしろよ!バッキャロ~!」