第3話 最高の挨拶-2

そのキャンプ場へ行く途中でもう一つのキャンプ場を発見した。でもそこはオートキャンプ場(車でも入れるキャンプ場)なのでファミリーキャンパーが多いし、設備が整ってる分、利用料金が高くなることは知っていたので僕はそこを素通りした。

そして目的地である珍小島キャンプ場付近まで来たが、なんと、そこにはキャンプ場などなかった。なんらかの理由でなくなったのだろう。

僕は仕方なく、さらに先にあるキャンプ場を目指すことにした。しかし、そこに到着すると、妙に暗く淋しいオーラが漂っていた。
「これやったら利用料金が高くてもさっきのオートキャンプ場の方がいい」
と思い10kmほど前に発見したそのキャンプ場へ引き返すことにした。

今日はなんとなく淋しい場所にいるのが嫌に感じたからだ。

そのオートキャンプ場に着くと、チャリであるにもかかわらず利用料金に1000円とられた。「え?千円?」と思ったがそれでもさっきの淋しい場所よりはマシだった。(チャリダーにとってキャンプ場一泊の相場は300円くらいなのです。特に北海道は安い。)

テントを張ってると、案の定いたる所にファミリーキャンパーがいて そこはにぎやかだった。そんな場所に泊まるのが、「うるさい」とか「うっとうしい」と思う時もあるのに、人恋しさのあまりここに来た自分を「勝手な奴だな」と思いつつ、テントを張った。

でもそれはたしかに僕が勝手なのもあるが人間そのものが勝手な生き物なのかもしれないですね^^;)。

汗をかいていたので、そのキャンプ場にあるシャワーを使うことにした。(ちなみにそこのシャワーは5分で百円だった)
「ええい!この際ここの施設を利用しまくってやるぜ!」と思い、ついでにコインランドリーも使うことにした。

しかしその両方が満員御礼だった。

「お前らファミリーキャンパーはどうせ一泊か二泊やのにわざわざここで洗濯とかシャワーとかせんでも家でできるやんけ!俺ら長期滞在チャリダーを優先しろよ!」
と思ったが素直に空くのを待った。

その後コインランドリーで洗濯し終えた洗濯物を今度は乾燥機に放り込んだ。

そして洗濯とシャワーのすべてが終了した時はすでに夜中の12時をまわっていた。
「うそー!もうこんな時間かよ!?」 と思ったが、
「まあいいわ、明日は室蘭までやし、ひさびさに夜更かしもいいだろう」 と、寝床についた。

 翌朝、目が覚めると7時だった。「まあ今日は室蘭までの50kmくらいのコースや。もう少し寝よう・・・」と思い、また寝た。

ところが次に目が覚めると、なななな、なんと10時45分ではないか!!!「やべ~!」と思ってあわててテントを片付けようとテントの外に出ると、昨日まであんなににぎやかだったキャンプ場にもうほとんどのテントはなかった。

 

さらにアセッた僕は急いでその場を後にした。


Vol.1 FIELD-08 Episode 3